【平家は高いのか?】坪単価ではなくトータルコストで考えよう

住宅計画の初期段階で考えることの一つが、平屋にするのか二階建てにするのかです。

一般的に、延床面積が同じであれば平屋の方が高いと言われます。

しかし、トータルコストに目を向けると、本当に平屋の方が高いのでしょうか。

私は、平屋でも二階建てでも総費用に大きな差はないと判断し、平屋を選びました。

 

本記事では、ダイワハウスで延床面積約30坪の平屋を建てた筆者が、費用に対する考え方と、平屋を選択した理由を紹介します。

平屋が高いと言われる理由

一般的に、平屋は二階建てに比べると費用が高くなると言われます。

その理由は、基礎と屋根の広さが増えるからです。

 

仮に、延床面積30坪の家を建てる場合を考えます。

30坪の平屋と、1階2階それぞれ15坪の総二階の家を比べた場合、家を真上から見たときには、総二階の家が平屋の半分の広さに見えるはずです。

単純に、平屋だと基礎と屋根が総二階の2倍必要だということになります。

これが、平屋が高いと言われる理由です。

平屋の30坪と2階建ての30坪、本当に同じ広さ?

先ほどの、30坪の平屋と総二階を例に話します。

総二階の家にあって平屋の家にはないスペースがあります。

それは、階段です。

階段を設置すると、どんなにコンパクトに収めても1坪は使うことになります。

階段は1階と2階をつなぐものですから、各階から1坪は階段に費やされることになるので、30坪のうち2坪は居住スペースとして使えないということです。

さらに、二階建ての場合だと平屋に比べて廊下の面積も増える傾向にありますから、居住スペースはさらに狭まってしまいます。

つまり、延床面積が同じ30坪であれば、居住スペースは平屋の方が広くなるということです。

平屋であれば、例えば脱衣室や寝室、子供部屋などをリビングから直通にするなどの空で、廊下面積を最小限に抑えることもできます。

同じ居住スペースを確保しようとすれば、平屋よりも二階建ての方が延べ床面積が大きくなる傾向にありますので、坪単価を抑えても総費用の差は小さくなるのです。

建物だけでなく敷地全体で考える

再び、先ほどと同じ平屋と総二階の家で考えます。

二階建てにすれば、平屋と比べて建坪は小さくなります。

よって、基礎の面積も小さくて住みますが、その分敷地が余ります。

そうなると、外構費用が増えることになります。

外構に予算を費やすよりも、敷地を建物で占めてしまった方が、経済面で合理的なのではないでしょうか。

メンテナンスコストを考える

家は建てて終わりではありません。

例えば、外壁の塗り直しや屋根の補修が必要になれば、足場を組む必要があります。

平屋であれば、二階建てに比べて足場の高さは単純に半分になりますので、メンテナンス費用も抑えることができます。

長い目で見ても、平屋と二階建てにかかる費用の差は小さくなります。

私が平屋を選択した理由

建物に対して土地が広かった

幸いなことに、私は祖父の土地に家を建てることができました。

家はなるべくコンパクトに建てたいと思っていましたが、敷地は約80坪ありました。

前述のとおり、二階建てにすると敷地がかなり余りますので、外構費用が増えるよりは建物で占めてしまった方が有効だと思ったのが平屋を選択した理由の1つです。

 

また、土地に余裕がありましたので、南側に隣家があるにもかかわらず日射取得は十分だったことも理由として挙げられます。

重厚感のある外観

家を横から見た時の、縦方向と横方向の長さの比率について考えた時に、二階建てよりも平屋の方が縦に対して横が長くなります。

二階建てに比べると、外観にズッシリ感、安定感が生まれます。

見た目を考えても、平屋の方が魅力的に感じました。

まとめ 敷地面積に余裕があれば平屋がおすすめ

住宅展示場のような大きさの家になれば、平屋と二階建ての費用の差は大きくなるのではないかと思います。

しかし、30坪程度の家であれば、平屋も二階建ても総費用に大きな差は生まれないと感じます。

 

土地の広さ、建蔽率、日射取得などの条件で、平屋は難しいという方もいるでしょう。

でも、もし平屋を検討できるのであれば、私は平屋をおすすめします。